七五三の出張撮影
埼玉県|さいたま市|大宮区|武蔵一宮氷川神社(大宮氷川神社)
おとなになるんだね
てくてく。と。
場所見知り、人見知りと言う子でした。
てくてく。
会った時はおしゃべりできませんでした。
だから歩いてもらいました。
てくてく。
色んな方を見ながら、混雑している参道を一歩一歩。
着物を着て、自分で歩くことが嬉しかったんだね。
僕にはそう見えました。
ファインダーから見るキミの姿しか見えなくて。
だから背景に映る沢山の人が、
まるでエキストラのように見えたんです。
今日は君を沢山撮りたいんです。
そして沢山笑顔を見たいから、
ママと打ち合わせして、キミの好きな傘を用意したんだ。
気に入った?
うん。それは良かった。
赤い着物とマッチするように色も選んできたんだ。
この赤い橋の上で撮影することも考えてきたんだよ。
初めて会ったときから、
この赤い橋まで歩いてもらう間。
すごい勢いで成長しているのを
目の当たりにした感じがしました。
人見知り、という言葉は子供の辞書にはないと思うんです。
その言葉を使うのは大人だけだからね。
これまでずっと守られてきた存在だったから。
初めて見る景色、初めて会う人。
怖がるのが正解なんですよね。
僕と打ち解けてもらえたら、
パパもママもそばにいる。
今日は楽しい日。七五三。
そんな風に理解してもらえてたら嬉しいな。
僕はそばにいて
楽しそうなキミを
写真に収めるだけの人なんだ。
もうすぐお姉ちゃんになるキミ。
『赤ちゃんにどんぐりあげてみようか』
そんな言葉にも反応してくれて。
ありがとう。
撮影も終盤に差し掛かるころ。
さっきプレゼントしたどんぐり。
僕にくれたのがとっても嬉しかった。
ありがとうね。
そんなキミを撮るのが僕の喜びだから。
おとなになって、この写真を見てくれたら嬉しいな。
それじゃ、またね。
2016年秋。大宮氷川神社で七五三の出張撮影より。